ごあいさつ

chara建機に人格的なるものが内在するとしたら、敗戦後の日本のインフラ造りに貢献してきた建機たちは、今日ほど寂しい気持を抱いたことはないであろう。
未熟な技術ゆえに先進国から技術提携という名の家庭教師を雇い入れ、“一日も早く自力で建機を造るんだ”という気概の下、日夜技術向上に取り組んだのだった。
それから十数年の歳月が流れ、日本独自の技術で建機を開発、製造できるようになると、建機もオペレーターも胸を張って、高度成長の波にのり、破竹の勢いで機械土工に取り組んだのである。

しかし、更なる進歩を目指すテクノロジーの世界は、寸時の停滞も許さない。
創成期の建機たちは、やがて新型機種の下取りとしてメーカーに引き取られ、役割を終えて処分された。
それでもまだ、創成期の仲間達が全国の建設会社に多く残っているうちは良かったが、いよいよもう国内から姿を消す時態を迎えている。
部品が欠如したり、多額の修理費を必要とする建機はスクラップにされ、多少のリハビリで体力を温存できる建機は、東南アジアやアフリカ諸国へ売却されて行く。

そして、これまでとは全く環境の違う国で、多国籍の建機仲間と共に、意味のわからない言葉を聞き流しながら最後の“ヒトキバイ(頑張り)”と老骨にムチ打っているのである。

これでは日本の高度成長期に活躍した建機が消えていくのは時間の問題だろう。
永年会社に貢献し、社員共々に歴史をつくりあげてきた建機にとっては、これ以上悲しいことはないだろう。
02-01-01後世のエンジニアやマニアに伝えるべく、昭和の建機を現存させるのは現今しかないことに気付いた。
そのような思いの中、私は昭和の建機を一台、また一台と取得しつつ、昭和の建機を知る方々から「ご苦労さんだったね」と声をかけられる最後の安息の場としてミュージアム建設を目指してきた。
それは命ある限り続く。
そのことで自分自身も救われる気持になれるからだ。

ごあいさつ” への1件のコメント

  1. ピンバック: 日本初、建築模型の博物館が今春オープン!一般の人も楽しめる建築関係の博物館3選 | 大人のきわどいニュース速報

コメントは受け付けていません。